先月、取材のため、秋田県横手市へ行ってきました。この写真は、横手駅のホームにあった横断幕。これに書いてあるとおり、横手は「かまくら」と「やきそば」のまちです(すみません。写真ではかまくらの「か」が写ってません)。
横手市は、秋田県の内陸部にあります。この路線図の、オレンジ色で囲んだところが横手です。新幹線は通っていません。秋田や山形などを結ぶ「奥羽本線」または、岩手県北上市と横手を結ぶ「北上線」という在来線が通っています。
こちらは、岩手県北上市と横手を結ぶ北上線の列車。1両編成で、2時間に1本しかないレアなローカル線です。
北上駅には東北新幹線が停まるので、私は北上まで新幹線で行き、そこからこの北上線に乗り換えました。東京から北上経由で横手まで、乗り継ぎがよくても、4時間半くらいかかります。
さて、そんな横手に何を取材しに行ったのかというと、とある業界でオンリーワンの技術を持つ企業があるので、その社長さんに会いに行きました。
オンリーワンの技術なので、業界では有名な会社で、これまでにさまざまなビジネス賞を受賞しています。
なので、ネットにはその企業に関する記事が、いろいろ載っていました。
私は取材に行く前と、取材に向かう車中で、それらの記事を一通り確認しました。中でも、信頼性が高いであろうビジネス系のネット記事をピックアップして、よく読んでおきました。その記事には、私がこれから取材したいと思っている内容が、ほぼ網羅されている、と思っていたからです。ところが・・・。
取材現場である会社に着いて、社長さんとお会いし、早速、そのネット記事のことをお話ししました。すると、その記事のとある部分を指摘して、社長さんはハッキリとこう仰ったんです。
「あ、そこは違うな。順番がまるで違う」
正直言って、私は「え?」と思いました。その記事が出ているメディアは、かなりマジメなところで、おそらく間違いはないだろうと、勝手に思い込んでいたからです。
だから、社長さんから「違う」と訂正していただいて、本当によかったと思いましたし、「わざわざ何時間もかけて取材に来た甲斐があった!」とも思いました。
その後、その記事のご指摘の部分を「正しく詳しく」うかがい、「あ~、なるほど。そういうことでしたか~」と納得し、東京に戻ってから、しっかりとその部分も原稿に書きました。
どんなに信頼できるメディアでも、記事には、それを取材した人の「主観」が入ります。それに、特にビジネスに関する記事では、ちょっと取材時期がズレていただけで、状況が180度変化する、なんていうこともあります。
だから、私たち取材する側の人間は、いつでも「現場に行って、当事者から話を聞く」ということを忘れてはいけないのです。
ちなみに、これはAIに関しても同じ。AIは絶対的な存在ではありません。よく間違いを答えます。しかも、その間違いを「全く間違いではない感じで」答えるので、始末が悪い。
なぜ、そういう間違いが起きるのかというと、AIの情報源はインターネット上の情報だからです。
ネットの情報を鵜吞みにしてはいけない。だから、AIの情報も鵜吞みにしてはいけない。それが、今回の私の経験からおわかりいただけると思います。みなさん、気をつけましょうね。