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「視点を変えて」書いてみよう

先日、偶然に川沿いにある桜並木を通りかかりました。どの木もちょうど満開だったのですが、その中でもひときわ大きい桜の木が目を引きました。

 

この写真は、その桜の木を、川を挟んで反対側から撮ったもの。桜の木全体がうつっていて、よく見ると車や人もいるので、木全体の大きさがわかると思います。

 

樹齢はどのくらいなのかわかりませんが、とにかく大きくて「圧巻」という表現がぴったりでした。

そして、こちらの写真。実は、先ほどの写真にうつっていた桜の木の、真下で撮ったものです。

 

全体を見ていたときはわかりませんでしたが、枝が大きく広がって遊歩道の上にかかり、まさに「桜のトンネル」のようになっていました。写真の奥の方に人がうつっているので、ちょうど大人の背丈くらいの桜のトンネルであることがわかると思います。

 

2枚の写真で、私がなにが言いたいのかというと、「視点を変える」ということです。

 

全体の写真では、桜の木全体の形や高さなどがわかります。それもたしかに素晴らしいのですが、桜の木の下に入ってみると、また、こんなに素晴らしい景色が見られるということなんです。

 

「誰かに何かを伝えたい」と思うと、つい、どちらか一方の視点になってしまいがちです。

 

桜の木の全体写真のように、客観的に伝えるか。もしくは、桜の木の真下にいるように、自分から見える範囲だけで主観的に伝えるか。

 

実は、どちらの視点も必要だし、どちらの視点もあった方がおもしろいんです。それが、この2枚の写真でおわかりいただけると思います。

 

私は取材ライターなので、仕事ではあくまでも客観的に書くことが多いです。主観的なことは、客観的な事実の当事者から話を聞いて「」(カギカッコ)で伝えます。

 

同じように、自分が体験したことを書くときも、客観的な事実は「地の文」で、感想などの主観的な内容は「」(カギカッコ)をつけてセリフのように書くことがあります。

 

客観的な視点と主観的な視点。両方をバランスよく伝えることで、よりわかりやすい文章を書くことができますよ。意識してやってみてくださいね。