春になって、プロ野球やサッカーのシーズンもスタートしました。
スポーツで欠かせないのが、試合の実況中継です。
私は以前、放送局の報道部にいた時、スポーツ実況をするアナウンサーさんとも、
お仕事をご一緒させていただいたことがあります。
アナウンサーの中でも、スポーツ実況ができる人というのは、
かなり練習と経験を積んだ方だと、個人的には思います。
スポーツ実況というのは、
目の前のことをひたすらにしゃべっているように見えるし、実際にその通りです。
でもね、やってみてください。
自分の目の前にあることを、そのまま言葉にする、
しかも、他人が聞いてもわかるような言葉で、喋り続けるということを。
素人には、絶対にできません。
たぶん、一般の方なら
「あ~!○○選手、○○選手が!あ!あ!やった!ゴーーール!」
というのが、精いっぱいだと思います。
それを
「ボールを、今、○○選手が左サイドから右サイドへ…
パスをつなぐか?さぁ、そこには△△選手がいる。
そして…○○選手から△△選手へパスが通った!
相手チームのディフェンスをかわしながらシュートへいくか…、
シュート!シュート!決まりました!」
と、見ている人や聞いている人が、わかるように喋るわけです。
こうして、目の前に起きていることを
そのまま喋ることができるようになるため、
スポーツ実況をするアナウンサーは、練習をします。
どんな練習かというと、スポーツ中継の映像を見ながら、
先輩アナウンサーが喋った実況の音声を消して、
自分なりの実況をするのです。
そのためには、そのスポーツのルールや
選手に関する知識を熟知していなければなりません。
当然ですが、スポーツは生中継がほとんど。台本はありません。
試合運びを見ながら、言葉を選ぶ必要があります。
なおかつ、スポーツには必ず解説者が付くので、
その解説者が喋るタイミングもコントロールしなければならない。
その練習を繰り返して、
間をあけすぎず、視聴者に伝わりやすい実況ができるようになります。
「目の前にあることを、臨機応変に言葉にする」
簡単なことのように見えますが、
それができるようになれば、たとえば一般の方のプレゼンなども、
とても素晴らしいものになると思います。
実況の練習、ぜひトライしてみてくださいね。