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気をつけたい言葉「いい天気」

きょうも東京は、青空が広がっています(この写真はきょうの空ではありませんが)。雪国生まれの私は、寒い時期でも青い東京の空が、住み始めたころはとてもありがたく感じました。

 

ところで、晴れた青空を見ると思い出すエピソードがあります。これは、私が放送局で仕事をしていた頃に、とてもお世話になった大先輩アナウンサーから聴いたお話です。

 

その先輩アナウンサーは、当時、担当していた生放送のラジオ番組で「おはようございます!いや~、今日はいいお天気ですね~!」と、あいさつしました。

 

その日は、雲ひとつないきれいな青空が広がった日曜日。誰がどう見ても、確かに「いいお天気」でした。

 

でも…。ひとりのリスナーから、こんなメッセージが届きました。「僕らにとっては、今日は、いい天気じゃないよ」と。

 

メッセージをくれたリスナーさんは、農家の方でした。 実はその頃、ずっと雨の降らない日が続いていました。畑がカラカラに乾いてしまったので、「早く雨が降らないかなぁ」と思っていたのだそうです。

 

それ以来、その先輩アナウンサーは、「晴れ」のことを「いい天気」とは言わなくなりました。

 

じゃ、なんて言うかって?「晴れ」は「晴れ」です。あくまでも。

 

「晴れ」という言葉は、雲がなく、青空が広がる様子のことですが、「いい天気」という言葉は、主観的なものなんですよね。「いい」「悪い」って、主観的でしょ?

 

自分にとってはいいことでも、相手にとっては、いいことじゃないかもしれない。だから、「客観的な言葉をつかう」っていうことは、大切なことなんです。普段から意識しておきたいですね。