こちらは、わが家の近所にある公園をなわばりにしているらしい、黒猫さんです。春になってポカポカ陽気になると、日なたに登場します。
ところで、これは黒猫さんを写真に撮ったわけですが、同じモデルでも、絵やイラストを描くとなると、全然違いますよね。私は、写真を撮ることはできますが、絵心がないので、絵らしいものは全く描けません。
そのくらい「取材ライター」と「コピーライター」というのは違います。どちらの仕事も、言葉を生業にしているという意味では似ているので、よく勘違いされるんですけれども。
私のような「取材ライター」は、取材対象者からお話を引き出して、それを組み立てて「記事」のような文章を書きます。
一方で、「コピーライター」は、与えられたテーマがあったとしても、自らいろんな言葉を生み出して、それをギュギュっと凝縮して、文章に限らず「コピー」を生み出します。
この違いは、カメラマンとイラストレーターのようなものだと、私は思っています。同じものを見ても、カメラマンは被写体を自分なりに切り取って「写真」として伝えますが、イラストレーターは自分の中でクリエイトして「イラスト」として表現しますよね。
同じ人やモノ、コトを見ても、カメラマンとイラストレーターはできあがる作品がビジュアルとして違うので、同じ職業と勘違いされることはまずありません。でも、取材ライターとコピーライターは、できあがるものがどちらも「言葉」なので、よく勘違いされるんです。
なんていうか……、頭の中のつくりというか、回路というか、とにかく全部が違います。いちばんの違いは「想像」を入れるか否かかもしれません。私たち取材ライターは、あくまでも客観的なことを文章にするので、自分の考えや想像を書くことはほとんどありません。
コピーライターは、いわば作詞家です。絵を描くとか、彫刻を創るようなクリエイターです。自分の想像力を目一杯使って、言葉をデザインして、削り取って、形づくっていく。だから、そういう人が生み出した言葉は、まるでイラストレーターがサラサラっと絵を描くみたいに、センスのかたまりです。
取材ライターにもセンスがあるとすれば、それは取材対象者が発した言葉をどのように切り取るかというセンスはあるかもしれません。今、このブログを書いていて、改めて思いました。私たちの仕事はカメラマンみたいに「現実を切り取って伝える」ということなんです。