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つなぐ仕事

ライターである私は、自分の仕事を「専門家と素人をつなぐ仕事」だと思っています。

 

私たちライターは、いろんな専門家や経営者を取材して、そこから得た情報を読者という「素人」でもわかりやすい文章にして、雑誌や書籍で伝えています。

 

だから「専門家と素人をつなぐ仕事」です。

 

誰かと誰かをつなぐ仕事、間に立つ仕事、というのは、両方のことをある程度わかっていなければならないので、バランス感覚のようなものが必要だと思います。

 

 以前、とある飲み屋で隣り合った若者と、おしゃべりしました。最初は料理やお酒の話だったのですが、いつの間にか、お互いの仕事についての話になりまして。改めて聞くと、その若者はスマホのアプリを開発する会社に勤めているそうな。

 

「でもね、僕、SE(システムエンジニア)じゃないんです…」

なんとなく寂しそうに言うので、おそらく彼は、SEを目指して入社したのでしょう。ITとか機械にはまったく疎い私ですが、そんなド素人でも「SE」と聞いたら、花形職業というイメージがありますからね。

 

私「へぇ~。じゃあ、どんな仕事?」

若者「アプリができたら、ユーザー目線でチェックするみたいな係です。ユーザー目線で見て、使いやすいかどうかを確認するみたいな」

私「つまり、SEとユーザーをつなぐ仕事ね。そういう仕事って、大事だと思うなぁ」

 

 

そういう仕事は、SEが使う技術のこともある程度わかるし、ユーザーにとっての使いやすさ、つまり素人の目線も持っていなければなりません。

 

前述のライターと同じように「専門家と素人をつなぐ仕事」だと思います。

 

そんな話をしたら、その若者は「そうですね。なんか、うれしいッス」と、ちょっと笑顔になってくれました。

 

いろんな分野で「つなぐ仕事」「間に立つ仕事」ってあると思います。会社単位でいえば、商社や問屋、いろんな代理店がそうだし、社内レベルでいえば、課長や係長もそうです。

 

そして、それらの仕事は、あまり目立たないことが多いと思います。でも実は、とても大事な役割を持っているんですよね。