ライターとしてお仕事すると、いろいろな方からいろいろなお話をうかがいます。私がお会いするのは、マスコミの取材を受けるのが初めてという、中小企業やお店の経営者の方が多いです。
そういう取材先からは、ある程度お話をうかがった後に言われることがあります。
「こんな話でいいんですかねぇ……」
いいんです、いいんです。っていうか、むしろ、そう言ってくださるくらい普通で自然な言葉の方がいいんです。
それを文章にするのが私のお仕事ですから。
「取材です」っていうと、「何をしゃべっていいのかわからないから」って、前もって台本というか、レポートみたいにまとめてくれる方もいらっしゃるんですよ。でもそうなると、かえってぎこちなくなったり、誰かの話の受け売りをそのまましゃべってしまったりすることがあります。
私たち取材する側が聴きたいのは「その人による、その人だけの言葉」です。だから、カッコいいことを言おうとして偉人の言葉を借りたりしないで、アナタの体験や思ったことをそのまましゃべってほしい。
私たちライターの役割は、アナタの言葉を引き出すことと、それを読者がわかるように文章にすることです。
だから、もし「取材させてください」っていう申し出があったら、全然怖がることも緊張することもなくて、私たちとおしゃりする感覚で引き受けてくださいね。