先日、原稿をお送りしたクライアントさんから、ありがたいことに
「あんなに気軽な会話を立派な原稿にできるなんて、さすが文才がありますね」とおほめの言葉をいただきました。
実は、私に文才があるのではなくて、取材した方の言葉がよかったからいい原稿ができます。それは間違いないのですが、ほめていただけてとってもうれしかったので、ブログにしようと思います。
このクライアントさんからのご依頼は、自社のホームページに掲載する「お客さまの声」を記事にすること。
このため、この会社のご担当者さんとお客さま、私の三者をオンラインでつなぎ、インタビューをしました。
この会社さんとお客さまはとてもいい関係性を築いていらっしゃっていて、インタビューはとてもスムーズに、本当に気楽な会話という感じで進みました。
インタビューが「スムーズに」「気楽な感じで」進むというのは、ライターにとってものすごくありがたい状況です。なぜなら、その雰囲気があるからこそ、取材対象者(この場合はお客さま)が本音を話してくれるからです。
ちょっと想像してみてください。緊張した場面では、言いたいことが言えないこと、多いですよね。
だから、インタビューをするときは、対象となる人が緊張しないようにすることが、とっても大事。今回の場合は、私のクライアントである会社さんとそのお客さまが良好な関係だったので、取材対象となるお客さまがリラックスしてお話しをしてくれました。
そういう雰囲気でインタビューができると、私としては「おお!今、いいことおっしゃった。これは使える」という言葉をゲットすることができます。
そして、私の役割はその「使える言葉」を書き起こして、並べ替えるだけ。だから、こうした原稿の場合、私自身の言葉はほとんど入っていません。取材対象者の言葉という「素材のよさ」があるから、余計なものはいらないんです。
まぁ、なんというか、おいしい「卵かけごはん」みたいなものでしょうか。
おいしい卵かけごはんって、炊き立てのごはんと新鮮な卵が重要で、あとは好みの調味料や味変するための食材ですよね。いわば、主役のごはんと卵とその他の食材の組み合わせ。お茶碗の上でおいしい組み合わせをつくるけれど、食材を混ぜ合わせて別の料理にするわけじゃない。
私が書くインタビュー原稿も、こういう感じです。素材はそのままに、言葉の組み合わせを変えるだけ。会話そのままだと、話が飛んだり、余計な言葉が入っていてわかりにくかったりするので、言葉の組み合わせを変えて、必要なものだけ残しています。
だから、文才というよりも、構成力ですかね。
実際に、インタビュー原稿を書くときは、取材した音声を書き起こして、それを一旦プリントアウトして全体を俯瞰し、プリントアウトした紙を見ながらパソコンで部分部分をパズルみたいに切ったり貼ったりしています。
だからやっぱり、いいインタビュー原稿って「素材の力」なんです。炊き立てごはんと新鮮な卵みたいに。