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オンラインで「伝える」ということ

春は、社員研修などが盛んな時期です。私にも毎年、この時期だけは研修講師のご依頼が来ます。

 

内容は「プレゼンテーション」です。といっても、パワーポイントで作る資料作成の講座ではありません。一般的な会社でいえば、新製品の発表会などの、いわゆる「プレゼン」ですね。営業の方がお客さまに商品説明などをするのも、これにあたりますよね。

 

で、私は以前、テレビ局のレポーターだったし、司会者でもあるので、人前で話す仕事をしています。このため、プレゼン研修の講師もやっているわけです。


この講座、残念ながら、昨年は新型コロナウイルスの影響を受けて、せっかくの研修予定がキャンセルになってしまいました。でも、今年はオンラインで行われることになりました。

 

そう。コロナの影響もあって、今の時代、研修はオンラインが主流みたいです。大学をはじめ、学校や塾の授業もオンラインですもんね。

 

先日、お仕事先の研修会社さんと打ち合わせをしました。私が講師を務める研修を受けてくれるのは、とある業界団体の若者たち。男性も女性もいて、営業も事務担当もいます。受講生たちがいる業界に限らず、今は営業も事務も、オンラインで仕事をしているんですって。研修や授業だけじゃないんだなぁ。

 

それで、今回の研修は「オンラインでのプレゼン」を意識した内容にしてほしいというご要望なのです。

 

「オンラインのプレゼン」と聞くと、いかにも最近はじまったことのように見えますが、私にとっては、以前からあるものとそっくり。

 

以前からあるものって、なんだと思います?

 

「テレビ」です。

 

オンラインって、パソコンやスマホを使うからそう呼ばれていますが、画面の向こうにいる誰かに何かを伝えるという意味では、テレビと同じなんじゃないかと思うんですね。ほら、オンラインのときって、カメラ(のレンズ)を見て話すでしょ。あの感覚は、まさにテレビです。以前、テレビ局にいた私が言うんだから、間違いない(笑)。

 

だから私、今回の研修では、リアルな場でのプレゼンとオンラインのプレゼンでの大きな違いを強調して、受講生たちに伝えようと思っています。

 

具体的には、1.発音と発声を明確にすること。2.相手が何か言ったら、相づちや身振り手振りなど、ちょっとオーバーリアクションくらいに応じること。3.カメラ位置や照明など、機材に少し工夫すること。

 

今、この3つを含んだ研修内容を、どうやって伝えたら受講生たちが納得して理解してくれるかを考えています。

 

オンラインがテレビと大きく違うのは、双方向にやり取りができること。だから、受講生たちのリアクションもうまく使って、おもしろい研修にしたいな。オンライン研修は、私にとって「長時間の生放送番組」なのです。