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書いてあるとおりじゃないけれど

 

 

はい、こちらはトイレにあるセンサーですね。

手をかざすと、便器に水が流れるヤツです。

普段、用を足した後で何気なく使っているアレです。


先日、とあるビルのトイレに入りました。

個室に入ってドアを閉めようとしたら、いきなり「ゴゴゴゴゴ…」と音がして、水が流れ始めたんです。私、まだ用を足していないのに。

「な、な、なんで!?」

と思ったら、このセンサーが反応したらしいんですね。

でも、私は手をかざしていません。では一体、なにに反応したのか?

それは、私の「お尻」でした。

 

このトイレ、ドアが内側に開くようになっています。だから、私がドアを閉めようとした時、一歩、便器の方に近づいたんです。

そうしたら、ちょうどこのセンサーが、私のお尻の高さのところにあったというワケです。

それで、そのお尻に反応して、便器に水が流れました。

センサーが反応したのは、私の「ケツ圧」ではありません。お尻の温度、つまり体温です。

みなさんご存知のように、こういうセンサーは人の体温に反応して、水が流れるようになっていますから。

 

んで、私、思ったんですよ。

「お尻でも反応するのなら、手で触れなくてもいいのか…」

 

こういうセンサーには、たいてい、写真のような「手」のマークか「手を近づけてください」という説明が書いてあります。だから、無意識に「手」だと思っていました。

だけど考えてみれば、体温に反応するわけだから、必ずしも「手」じゃなくていいはずなんですよね。

だって実際、私のお尻に反応したんですから。

腕でもいいし、ひじでもいいし、脚でもいい。なんなら、顔でもいいわけです(トイレに設置してあるものだから、ちょっと抵抗はありますが)。

 

だけど、なんで「手」なんだろう…。

もし、このセンサーの説明が「手を近づけてください」じゃなかったら、なんて書いてあるんだろう…。

「手や腕など、身体の一部を近づけてください」かな。

それじゃ、長いものねぇ。

そうなると、やっぱり「手を近づけてください」が適当だし、わかりやすいなぁ。

だから「手」なんだろうなぁ。

 

…というようにいろいろ妄想しながら、私がこの「センサー事件」で思ったこと。

「世の中には、説明どおりじゃなくても、機能するものがある」

もちろん、説明どおりに使えばそのとおりに動いてくれるんでしょうが、そうじゃなくても、同じ結果が得られることがある、ってことです。

この場合なら、説明どおりに「手」を近づけなくても「お尻」を近づければ、便器に水が流れるという「結果」を得られた、ってことですね。

結果は同じでも、過程はいろいろある。

一般的には、最も効率的なことがよいとされていますが、いろいろあっていいんじゃないでしょうか。

その方が、おもしろいこともありますし、ね。