「目は口ほどにものをいう」という言葉があります。何もしゃべらなくとも、目つきから相手の感情がわかるものだ、ということですよね。
私、ひとり飲みが好きで、よく立ち飲み屋さんとか、カウンターのある居酒屋さんとかワインバルなんかに行くんです。
で、ひとりで何をするかというと、人間観察。
酒場のカウンターで人間観察してると「目は口ほどにものをいう」はもちろんのこと、「仕草は口ほどにものをいう」だと思うんですね。
たとえば、40代くらいの男女のカップル。夫婦かな?とも思いきや、夫婦にしては、お互いの距離がものすごく近い。お酒が入って、ほろ酔いになってくると、肩なんか寄せあったりして。
ま、何年経ってもラブラブな夫婦はいるかもしれませんが、そうでもない限り、たいていは不倫カップルですね。
それから、いかにも女性を好きそうな、オシャレ系の30~40代くらいのおにいさん。ブランド品なんかをさり気なく着こなして、とってもスマートに話しかけてくる。女性を口説いているのかと思いきや、終電間際になるとソワソワしはじめ、そそくさと帰る。
こういう人は、たいてい、妻子持ちです。うっかり「口説かれてる」とカン違いしてはいけません。
こんな風に、人の表情や仕草からどんな人かを見分けるクセは、仕事から身に付いたものだと思います。
私の仕事はライターです。ライターの中でも、私は取材をして、その取材した人の言葉を書くライターなので、人の話を引き出すのも仕事のうち。ほとんどの取材は、初対面の人から話を聞かなくてはいけないので、自然に人の表情や仕草から「この人はどんな人だろう?」「どんな風に話したら、こちらが聞きたいことを話してくれるだろう?」と考えるようになりました。
そういう、心理学みたいなことって、理論的にいろいろあると思うのですが、私は学問として学んだことはありません。ただ、ものすごくたくさんの人と会って、たくさんの人からお話を聞いてきたのは事実です。
考えてみれば、ごく普通の会社員さんとかなら、仕事で出会う人の数って、ある程度限られてくるんじゃないかと思うんです。だけど私の場合、取材が多い時には、毎週のように新たな出会いがある。それぞれの人とのお付き合いは長くありませんが、いろんな業界の、いろんな人と出会い、ちょっと深いお話を聞いてきました。
だから、人の表情や仕草を読むクセがついたんです。
表情や仕草からいろんなことが読めると、「人間って、おもしろい」と思えるようになります。「あの人、きっとこんなこと考えてるんだ~」とか「きっとこの人、家に帰ったらこんな人なんだろうな~」とか、妄想も広がります。
これからは、この「人に対する妄想力や想像力」を使って、ブログなどのコンテンツに活かそうと考えています。さ、今夜も、妄想力を鍛えに、酒場へ行くぞ!