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私が思う沖縄の魅力「多様性」

今や日本でも、高校や大学で海外へ留学するというのは珍しくなくなりました。留学手続きをしてくれる企業や団体も、以前よりはかなり増えたと思います。

 

私が沖縄に住み始めたのは1990年代。当時、何が驚いたって、沖縄人の中に海外への留学経験者(短期留学含む)がたくさんいたことです。

 

例えば、沖縄の高校生なら、留学経験者がクラスに最低でも1人はいる、というのが当たり前と聞いて、とてもびっくりしました。「夏休みはずっとハワイに住んでいた」「カナダに留学していた」「ブラジルに行ったことがある。遠かった」こんな話を大学1年生の時にたくさん聞いた私は、本当に驚きました。

 

私が卒業した山形の高校も進学校でしたが、留学経験者は1学年中ほんの数人で、その経験者はものすごく珍しがられたものです。

 

当時、琉球大学の同級生に「なんでそんなに海外に留学する人が多いのか?」と話を聞いてみると、沖縄人はアメリカ、特にハワイや、南米に親戚がいる人が少なくないということ。それは100年ほど前、沖縄から多くの移民が海外を目指したからという歴史的な背景があるから、ということを知りました。

 

沖縄といえば、米軍基地があるし、戦後は日本に復帰するまで、しばらく米軍統治下でした。だから、アメリカ文化が根付いていることはよく知られています。

 

けれど実は、根付いているのはアメリカ文化だけじゃない。メキシコ料理の「タコス」の具をご飯にかけた「タコライス」は沖縄生まれだし、沖縄の野菜炒め「チャンプルー」の語源はインドネシアの言葉だという説もあります。

 

沖縄本島中部を歩くと、レストランなどに「オブリガード」というポルトガル語が店名になっているところもあるし、ひげを生やしたインド人と思しきオジサマが営む怪しい洋服屋さんもあります。

 

こういう、人種や国を超えた、まさに「チャンプルー」なところが、私が何年も沖縄に住み続けた魅力のひとつです。

 

沖縄は狭い島国です。もともとは琉球王国という独立した国だったけれど、日本やアメリカから統治された歴史があります。でも、琉球の頃には中国や東南アジアとの貿易も盛んだったし、沖縄から新天地を求めて海外へ旅立ったという移民の歴史もあります。それら全てが、今の沖縄のチャンプルーな文化につながっています。

 

同じ日本でありながら、沖縄やアメリカやブラジルや台湾や、いろんなところにルーツを持つ人が、身近にごく普通に生活している。その多様性が沖縄の大きな魅力のひとつなのだと、今東京に住んでいる私は、改めてとても強く感じます。