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つくる人は、続ける人

以前から、ものづくりをする人にインタビューするのが好きだ。

 

料理やお菓子をつくる人、染め物や織物をつくる人、写真家、画家、作家…これまでも、さまざまな「つくる人」にインタビューした。

 

主に仕事でお話をうかがうことが多いが、プライベートでも、飲み会の席や、出版記念の会合、展示会などで作者にお会いする機会があると、ついいろんなことを聞きたくなる。

 

例えば、この写真の作品はプライベートで買ったもの。先日、新宿の紀伊國屋書店で行われていたボールペン画家、磯野キャビアさんの作品展で購入した。動物たちの毛の1本1本が全てボールペンで描いてあり、驚くほどリアルだ。

 

会場には、磯野さんご自身がいらしたので、ほんの短い間だったが、お話をうかがうことができた。繊細な作品から受けるイメージとは少し違って、ふくよかで優しそうな男性である。磯野さんは「ボールペン画で動物園をつくる」を目標に、さまざまな動物を描いているという。

 

私が初めて磯野さんの作品を知ったのは、とある駅ビルの中で開かれていた催事だった。確か、猫のグッズを集めて展示販売していたイベントで、その中に磯野さんの猫の作品があったのだった。作者名を見て、私はすぐにツイッターで磯野さんをフォローした。それ以来、時々タイムラインに流れてくる作品を見ては「すごいなぁ」と、毎回感心している。

 

先日の紀伊國屋書店での展示会にも、ツイッターのフォロワーさんが何人も来ていると仰っていた。私が作品を眺めている時にも、磯野さんのツイッターを見てきたという若者が、彼に話しかけていた。どうやら彼も、絵描きさんになりたいらしい。「どうしたら絵で食べていけるようになれますか?」というような質問をした若者に、磯野さんはこう答えていた。

 

「とにかくね、続けることだよ」

 

ああ、やっぱりプロはそうなんだな、と思った。私がこれまでにお話をうかがってきた「つくる人」たちも、皆一様にそう仰っていた。

 

あきらめずに続けること。誰かに認められるまで、自分が納得するまで、いい作品ができるまで…。いろんな言い方はあるかもしれないが、「ゴール」という言葉は、どなたの口からも出て来なかったように思う。描き続ける、書き続ける、つくり続ける。どんな仕事でも、続けられる人だけが、プロになることができるのだ。