ランチの後に、アイスクリームを食べた。ミルク味のアイスの中心に、小豆あんが入っているもので、ミルクよりもあんの方が甘い。
食べ進めると、最後はミルク味の部分だけになって、思いのほかさっぱりと食べ終えた。
文章にも、似たようなことがあると思う。
最後が甘すぎたり、くど過ぎたりしてはいけない。中には、わざとそうする人もいるが、少なくとも私は、後味のいい文章を書きたいと思う。
文章にはリズムがある。静かに始まっても、強いインパクトから始まってもいいのだが、文章の終わりはいつも悩む。尻切れトンボのようになっては、書いている私も、読んでいる読者も気持ちが悪い。
連載の場合には、次を期待させるという手法がある。「次はどうなるんだろう」と、わざとモヤモヤさせる終わり方。
けれど、一話完結の場合には「終わり良ければ総て良し」という、ハッピーエンドにしたい。
映画の中にも、わざと考えさせるような終わり方をするものがある。「そして誰もいなくなった」のように、ハッピーエンドではない終わり方もある。個人的には、あまり好きではないけれど。
気持ちよく、後味よく、「ああ、ここで終わるのね」と、ストンと納得できるような、そして少し余韻の残るようなラストのフレーズを、すぅっと書けたらいいのに…。
おそらくこれも、練習あるのみ。後味のいい文章を書けるよう、これからは後味のいいデザートも、意識して食べてみることにしよう。